昼間のJR急行としては全国で唯一残り、岡山県の津山線(岡山―津山、58.7キロ)を走る「つやま」が、来春のダイヤ改定で姿を消すことになった。急行料金を払っても所要時間や車内設備は快速と変わらず、地元住民の呼び名は「ぼったくり急行」。 (中略) 岡山―津山には普通列車の他に快速が一日6~7本走り、所要時間は約70分、運賃は1110円。「つやま」は快速より停車駅が一つ少ないだけで所要時間は65~63分と大差がなく、座席幅も通常車両と変わらない。しかし、運賃に加えて急行料金730円が必要。快速と勘違いして乗り、車掌から急行料金を請求されて慌てて下車する客もいるという。 沿線自治体は急行が停車することを「まちの格」ととらえていたが、こうした市民からの不評を受け、快速の増便をJR西日本に要望。反対していた「つやま」の廃止も受け入れた。
引用元:http://www.asahi.com/national/update/1101/OSK200811010124.html 「ぼったくり急行」なんて名前もすごいが、沿線の鉄道利用者の不満は相当なものだったのだろう。ちなみに、この列車は普通列車や快速に利用される車両を利用していたのも不満の一因だ。JR西日本は、過去に関西空港への鉄道アクセスでも全車指定席の「ぼったくり」行為を行なって廃止になった列車があった。 公共交通の危機が叫ばれているというのに、沿線利用者のニーズに反した列車の運行は沿線住民の鉄道利用減少を招き、鉄道の維持が困難になる。これまで幾度もこの悪循環を続けていた流れを断ち切るためにもこの列車廃止は一定の評価をしたい。 東海地方にも「ぼったくり」列車は存在する。 JR東海が中央西線で運転している「セントラルライナー」だ。この列車の沿線住民から「ボッタクリライナー」「銭取られるライナー」「銭トラルライナー」などと呼ばれている。
そして、急行「つやま」のような蛮行が1999年12月以降、すでに10年近く継続されている。 <具体例> ・朝夕は普通列車・快速列車として運行されているのに、昼間は310円の座席整理券が無いと乗車できない。 ・名古屋~中津川間の所要時間が約6分しか短縮されていない。 ・多治見~中津川間は乗車券だけで乗車できるのに座席を追い出されることがある。 ・快速と間違えて乗車して310円を強制徴収させられた乗客多数あり。
セントラルライナーの蛮行ぶりについての詳細は、小生が昔作成したセントラルライナーの特集記事をご覧ください(情報が少し古いですが)。 http://www.geocities.jp/kouryudo758/clindex.html 沿線利用者の求めていない列車には鉄道会社にハッキリ「NO」を叩きつけ、不乗運動などのハッキリとした姿勢を示さねばならない。今回の「つやま」では自治体の急行停車駅という面子維持のため仕方なく残すという蛮行もあったが、最終的には1日たった1往復の列車にも地元住民がハッキリと態度を示した。「セントラルライナー」でも、行動を起こさねばならなかった。 だが、1日12~13往復の「セントラルライナー」で不便な思いをした沿線の岐阜県東濃地方5市(多治見市・土岐市・瑞浪市・恵那市・中津川市)では、不満があっても行動に起こせなかった。最大の理由は、解決を行政に丸投げし利用者同士で連携を行なわなかったことだ。この地域の民度が低いと馬鹿にされても仕方無いレベルだ。私は元土岐市民だから本当に悔しいが、そう言わざるを得ない。JR東海は今年春のダイヤ改正で「セントラルライナー」に起因する問題点を大幅に改善したが、結局は列車の存続を許してしまっている。「セントラルライナー」は来年春に臨時列車に格下げとなる「ムーンライトながら」で使用されている車両が転用されるなどの噂を聞くが、今後も沿線と列車の行方を追い続けたい。 今回の急行「つやま」廃止は、公共交通のあり方に一石を投じたのではなかろうか。
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