遥か遠いチリの地震に端を発する津波の影響が東海地方にも直撃しました。愛知県や三重県でも津波警報が発令され、津波の到達時刻に合わせてJRや近鉄が運転を見合わせているということで、名古屋駅へ行ってみました。
 JR名古屋駅の関西線ホームにある電光表示には「調整中」の文字。伊勢湾に近い永和~富田間が運転見合わせ区間ということで、名古屋~永和間と富田~亀山間で折り返し運転にしていたそうです。
 だから、この列車の方向幕は「桑名」行きと書かれていますが、実際は永和駅までしか行かないのです。駅では繰り返しアナウンスを行っていましたが、どう考えてもこの案内は利用者に誤解を与えかねない不親切な案内です。桑名行きと表示しながら永和駅までしか行かないようでは看板に偽りありであり、事情を知らずに電車に飛び乗った利用者がこの事情を知った場合にJRはどう対処するのでしょう。「永和」行きの方向幕が無いのなら、空欄にした方がまだ親切です。そこまでして「ワンマン」列車であることを示す方が重要なのでしょうか? 今回、JR東海は運行を確保している近鉄への振り替え輸送を行いませんでした。これはどうしてなのか?不思議でした。為す術の無いJRの駅員は運転見合わせである旨を知らすと乗客との応対をしていましたが、傍で聴いていると、 「再開の目処は立っていない」 「弥富へ行きたければ永和駅からタクシーに乗れば良い」 「近鉄の事情は近鉄の駅で確認してほしい」 など、とても合格ラインに程遠い不合格返答を繰り返すと、応対のトラブルを恐れたのか?ホームから退散していました。
 何とも情けないJR東海の対応を見た後で、近鉄名古屋駅へ乗り込みました。
 近鉄は五十鈴川駅から先(鳥羽・賢島方面)のみ運転見合わせということで、鳥羽方面へ行く直通列車を五十鈴川駅止まりにした以外は平常運行でした。名古屋~桑名間ではJRより海沿いを走っている区間もあるというのに、近鉄は勇敢に利用者の安全輸送に挑んでいました。 案内表示には「急行」の表記だけ。五十鈴川行急行も存在するのでパタパタにも入っているのですが、なぜか表示されていませんでした。
 昼間には珍しい五十鈴川行急行。
 今回、トラブルでも「打たれ強い近鉄、ヘタレなJR東海」という両極端な対応が見られました。競合関係にある両社ですが、運賃で不利になっている近鉄が三重県民に根強い信頼を勝ち取っている理由も何となくわかる気がしました。
テレビのニュース速報によれば、午後9時過ぎにJRが運行を再開し、午後10時過ぎには近鉄も全線で運転を再開したようです。太平洋に面する沿岸地域では避難勧告・避難指示も出た地域がありましたが、東海地方では大きな被害が無かったようで、まずは一安心ですね。
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