この春、JR東海が妙な臨時列車を走らせました。それが、「熊野古道伊勢路」号です。 6月までの毎月第4土日のみ運行というレア度もさることながら、運行区間もJR紀勢線「多気~賀田」間という中途半端さ。熊野古道のハイカーのみを対象にした臨時列車のようです。5月22日の模様です。
 多気駅で出発時間を待つ「熊野古道伊勢路号」。名古屋7:49発の「快速みえ51号」からの乗り換え客が多かったです。
 珍しくヘッドマークまでありました。この臨時列車に賭けるJRの意図は何だろう。
 まるで視力検査の様な案内表示。
 松阪駅の駅弁屋「あら竹」さんが出張販売に来ていました。多気駅での駅弁販売は20年ぶりなんだとか。快速みえからの乗り換え客が次々と購入していきましたが、この後にやってきた特急「南紀1号」の客は誰も買わず。特急の客は冷たい。車内販売でもあったのでしょうか?
 多気駅に集まった危険な撮り鉄の1人が無謀なお願いを強行。貴重な販売時間を割いて笑顔で要望に応えて下さいました。そして、「熊野古道伊勢路」号発車の際は手を振って見送ってくれました。あら竹さん、ありがとうございます。
 多気駅発車直後の車内の様子。2両編成で乗客は40名。やはり、ハイカーが多かったです。途中停車駅もハイカーに配慮して、三瀬谷・梅ヶ谷・紀伊長島・三野瀬・相賀・尾鷲・賀田の順に停まります。多気駅を出発すると、すぐに車内改札がありました。私は「青空フリーきっぷ」を持参していましたので、エリア外の紀伊長島~尾鷲間の乗車券を別途購入(¥400)しました。
 伊勢柏崎駅。列車行き違いのため運転停車。2~3時間に1本という少ない列車本数でも、地元の方には貴重な交通手段です。
 JR紀勢線の脅威になるであろう、紀勢自動車道(紀勢大内山I.C付近)。整備されているとはいえ、カーブが多く雨量規制も厳しい国道42号だけでは不安であるため、緊急時に対応できる高規格道路の建設は地元の悲願だったようです。
 梅ヶ谷駅で運転停車。ちょっとした撮影会となりました。この先、荷坂峠転げ落ちるかのように坂を下り紀伊長島へ。
 紀伊長島から先でも紀勢自動車道の建設が進んでいました。
この日の臨時快速「熊野古道伊勢路号」の利用状況をまとめますと、 【三瀬谷】乗車ゼロ、下車10名。 【梅ヶ谷】乗車ゼロ、下車6名。 【紀伊長島】乗車3名、下車3名。 【三野瀬】乗車0名、下車7名。 【相賀】乗車1名、下車10名。 【尾鷲】乗車2名、下車9名、 終着駅・賀田までの乗客3名という感じ(目視確認による)でした。
 尾鷲の街を散策して、次の列車で熊野市へ向かう途中、賀田駅で折り返しの準備に入る「熊野古道伊勢路」号。ここで2時間時間を潰すぐらいなら、なぜ熊野市駅まで延長しなかったのでしょうか。ハイカーしか使わないという狭い思考で列車の設定をしたようです。
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