 2010年6月16日中日新聞朝刊より。上は経済面、下は社会面。
日本初の民放ラジオ、そして、日本初のFM放送局も名古屋でした。まさか、放送局停波第1号も名古屋からになるとは(涙)。慢性的な大赤字で夏はウナコーワ、冬はバンテリンで赤字を埋め立てていると噂(?)だった愛知国際放送(RADIO-i)が2010年9月30日で放送停止するとの衝撃的なニュースが飛び込んできました。近畿放送(KBS京都)・エフエム九州(CROSS FM)・Kiss-FM KOBEと経営破綻しながらも後継会社による経営再建が図られたというのに、停波3ヶ月前でこの情報が流れるということは、どうも名古屋には継承する意思のあるスポンサーが無かったということのようです。
 RADIO-i本社があるビル。テレビ塔の真ん前にあります。栄のど真ん中に構える必要があったのでしょうか?
愛知県3局目の民放FM局及び国内4局目の外国語放送局として、2000年4月1日に開局。先発局が送信出力10kwに対して5KWと小さいものの、送信所を標高の高い三国山(瀬戸市)に設置したため、愛知県に限らず岐阜県南部・三重県方面も広くカバーしていました。実家のある土岐市は三国山の向こうで、名古屋方面への指向性送信の逆方向でありながらクリアに受信できました。また、豊橋・浜松に中継局があり、在名局として初めての静岡県進出となった浜松では実質的に新局が開局した格好となりました。
開局当初は6ヶ国語を用いて外国人を意識した番組編成でしたが、年々英語偏重となり普通のFMラジオ局へ変貌を遂げました。結局、外国語放送というのが地方のビジネスとして成立しなかったということです。事実、「名古屋が日本で一番景気が良い」なんて話題になっていた数年前ですら、この局は債務超過状態でCMは筆頭株主・興和のCMが1時間に1本流れるだけという民放として惨憺たる状況が展開されていました。まぁ、CBCやZIP-FMのように、安易にラジオショッピングに手を出さなかったのが、放送局としての良心だったのかもしれませんが。今年3月期までの累積赤字総額は28億8400万円に膨らんでいるとのこと。
 特に冷遇していた毎日新聞ラジオ欄(2010年6月16日朝刊より)。 FM局のラジオ欄はAM局の70%しか無く、更にRADIO-iは他のFM局の70%しか番組欄を与えられなかった。
後発局で不利というのに、新聞のラジオ欄でもFM愛知・ZIP-FMに対して明らかに冷遇されているケースもあって、営業面でのハンデが相当厳しかったようです。また、ZIP-FMと混同されている人もいるようで、年配者にこの局の事が周知されていたかは正直疑問です。ちなみにうちの親はこの放送局の事を知りませんでした。
 今年元旦の中日新聞ラジオ欄より
今年の正月、異例の1月改編を断行。元日から10日間DJ無しで音楽を垂れ流す事態が発生。これは過去にもZIP-FMが行ったことがありますが、あちらは当時絶好調でFM愛知を再起不能に追い込む勢いがあった頃の話。こちらの場合は純粋に予算が無くなったのだと、その時は感じました。クリス・グレンや佐野瑛厘など、ZIP-FMで活躍していた人もこの局に移り「ij」(≒DJ)として活躍しており、当時の活躍を知るものとして積極的に聴いておりました。 放送局、特にラジオ単営局は経営が苦しいと聞いております。今回は親会社・興和も自身が苦しくなってしまったようで、最後にさじを投げてしまった様です(ここは他にも丸栄など、名古屋資本の経営が厳しい会社をいくつも抱えている背景もありますが)。何とか、最悪の事態を回避できないかと願っております。
他の新聞の報道ですが、
 朝日新聞2006年6月16日朝刊より。
朝日新聞が社会面で少し大きく取り上げたほかは、
 読売新聞2010年6月16日より。 他の新聞(読売・毎日・日経)は社会面の端で小さな記事にとどまっていました。
東海3県と静岡県西部に向けて外国語による放送を行っているFMラジオ局「RADIO-i」(レディオ・アイ)が経営不振のためことし9月末で放送を終了することになりました。「RADIO-i」は平成13年4月から英語やポルトガル語、それに中国語など6つの言語でニュースや音楽番組を放送してきましたが、広告収入が思うように集まらず、開局以来10年連続で赤字経営を続け28億8000万円の累積赤字を抱えて経営不振に陥っていました。 さらに景気の悪化で広告収入が落ち込み、今後も回復する見込みがないことから、ことし9月30日で放送を終了する ことを決めました。放送終了後、会社は精算手続きに入るということです。
引用元:http://www.nhk.or.jp/lnews/nagoya/3005132161.html
外国語放送などユニークな番組編成で親しまれるFMラジオ局「RADIOーi」が、今年9月いっぱいで放送を停止すると発表しました。 「RADIO―i」の愛称で知られるFM局「愛知国際放送」は、東海地方に住む外国人への情報サービス提供と国際理解を目的に2000年4月に開局し、日本語のほか英語や韓国語など7つの言語で放送を行っています。 しかし、開局以来赤字が続き、番組の改編や経営効率化を進めましたが、不況による広告収入の低迷などもあり、今年3月期までの赤字総額は、28億8400万円に膨らみました。 このため、今後黒字化することは困難であると判断し、今年9月30日で放送を停止することを決めました。 引用元:http://hicbc.com/news/index.asp?cl=c&id=0002C200 [READ MORE...]
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