来年3月に名古屋市営地下鉄桜通線野並~徳重間開通に伴う、沿線地域の市バス再編成についての地域懇談会が8月17日夜(18:30~20:30)に緑区役所講堂にて行われました。今回は、その模様をお届けします。
 会場には140名程度の市民が集まりました。多くは地元の方でしたが、過去にどこかでお見かけしたような同業者らしき人も複数確認できました。名古屋って世間が狭いですから、何度かこういうイベントに出ていると顔を覚えてしまいます。きっと、私も「あいつ、いつもいるな。」と同業者から思われているのかもしれません。
 まず、市職員による市バス路線再編成素案の説明。ダラダラと内容無い話が続きます。20分ほどだったはずが30分近く続き、正直苦痛でした。なぜなら、事前に名古屋市交通局が公式サイトで発表していた素案をそのまま読んでいただけなんです。事前にダウンロードして読んでいた人はそう思ったに違いありません。まぁ、高齢者はPC使えない人もいるから仕方ないのですが。だから、Twitterにツイートしたりしながら時間を潰します。 今回は手話通訳の人と要約筆記の方が見えていました。こういう配慮がいかにも名古屋市らしい。でも驚いたのは、要約筆記の人の文章と司会者の職員による説明が一言一句相違ないこと。つまり、あらかじめ台本があって、司会者は棒読みしていただけだったんです。
 説明が終わると参加した市民からの質疑応答が始まりました。今回は26名ほどの人が続々と交通局に質問・意見をぶつけていきました。場所柄、有松など緑区南部の人が多かったのが特徴です。
 交通局側はY崎主幹が回答役として終始登場しましたが、回答は制服組がやりがちの想定内回答ばかりで、サプライズ一切なし。しかも、市民の質問とお門違いの回答続出。更に都合の悪い質問には無視を決め込むなど、逃げ切りを図る姿勢が感じられたのは残念でした。主な質疑応答は以下の通り。
市民a:有松11系統が再編に組み込まれていない。緑区役所・緑市民病院へは乗り換えを要する。藤田保健衛生大学病院だけ、なぜ運転本数の大サービスをするのか? 市民b:都心だけでなく、知立・安城方面へ通う人もいる。鳴海・有松駅への利便性を。市バスは駅から駅を結んでほしい。 交通局:運行本数については、(区内)他の地域とのバランスを図った。桶狭間地区は他のバス路線の運転本数が多いため、区役所・緑市民病院へは乗り換えで対応してもらうことにした。 →それって、地域内格差をつけることになるけど大丈夫?バス利用者は高齢者ばかりで敬老パスを使うから問題ないって言うのが、交通局の本音じゃないかな?
市民:南大高駅付近は徳重への魅力は無い。 市民:この会の企画はいつから始めたのか。国道1号~篭山地区への道路計画との整合性は? 市バスと名鉄バスは商売敵だが、呉越同舟である傾向あり。市民目線でやれ。 交通局:開業日は決まっているので、地域懇談会は1年以上前から決まっていた。他社(名鉄など)との交通機関の接続も考えてはいる。
市民:島田住宅・島田一ツ山あたりから、地下鉄相生山に誘導するのは無理があるのでは?既存の八事11・神宮11の削減には疑問。 →島田一ツ山や相生山住宅で終点になって地下鉄との連絡をしない神宮11や八事12は、末端部の空気輸送を継続するつもりらしい。バスは駅と駅を結ばねばならない。やらない理由が相生11新設のためというのは明らかにおかしい。1路線のために2路線の収支と利便性を悪化させるという発想はおかしい。神宮11及び八事12を地下鉄鳴子北へ延長すれば済む話。相生11は鳴子みどりヶ丘・鳴子住宅を経由し地下鉄鳴子北を目指すべき。どうしても、地下鉄相生山をカバーしたいなら、藤田病院~地下鉄鳴子北~地下鉄相生山~藤田病院の循環路線にしたらよい。
市民:太子校区境松地域には市バス路線が一切ない。境松~有松駅間にバスが欲しい。大高~有松直通バス路線が無くなる。有松町口無池強制乗り換えはやめてほしい。 市民:鳴海団地~有松駅のバス路線が欲しい。名鉄バス撤退後、タクシーを利用せざるを得ない人がいる。 →鳴海団地は陸の孤島になりつつあります。このエリア、他に鳴子団地など、昭和40年代から暮らしている住民が多く高齢化が進んだ丘の上の団地が多いのも特徴です。今回の素案ではこれらの住民にとって坂道の徒歩を強要することが多く、大きな不満につながっています。丘の上の団地というのは、バス路線条件として最適なんですが、名古屋市交通局はそれを活かすノウハウが無いようです。
市民a:有松町口無池での乗り換えで待たせるのはおかしい。起終点の位置設置についての考えを聴かせてほしい。 市民b:(質疑に割り込む)太子地区は地域住民が名古屋市回転場用地を寄付して市バス路線を誘致した。 →実態は区画整理後の保留地を寄付しただけで、地主は損失ゼロって話じゃないことを願いたい。
市民:始発で遅れるのはどういうことか。イオンの渋滞などと言い訳をする。運転士は「そういうことは営業所に言え」という。接近表示と共に遅れの情報を流せないのか。
市民:緑巡回の東海市名和駅又は南区柴田駅への接続を考えてほしい。 交通局:市バス停留所の区域外(市外)設置については、議会の議決を必要とするができる。 →読売新聞に報道されてしまった話だから、市内の充実なんて言い訳はもう通用しない。じゃ、なぜやらない。交通局が仕事をしていないだけじゃないか。名和駅に限らず、槍玉に挙げられる有松町口無池だって、JR共和駅まで歩いて20分の距離なんですけど、どうしてバスを走らせないのか。隣接自治体との境界付近では、このような路線が多く、無駄な運用や空気輸送・片道輸送を続けて赤字を垂れ流しているケースが多い。これは交通局の怠慢としか言いようがない。
市民:豊明市の藤田病院にバスが大量に行くのはおかしい。 →諸ノ木止まりだった頃より利便性は数段向上している。
市民:系統名がややこしい。「幹鳴子1」は「幹」をつけるほどの運転本数も無い。もっとわかりやすく。
市民:素案では相川3丁目バス停の運行本数は1日200本から1日16本に激減する。収支を重視するあまり利便性がおろそかになっている。 交通局:相川3丁目は地下鉄相生山から480mなので、歩いていただけると考えている。 市民:(首をを左右に振って)途中に池があって(迂回するので)実測したら800mありました。直線距離で判断しているんですか? 交通局:…。(沈黙) →この日一番の見所でした。交通局の需要予測がいかにいい加減でデタラメだったことを証明しました。
市民:徳重開業後の市バスの定時運行対策は? 交通局:警察と協力して対策を練っていく。 →地下鉄開業時にはアピタもオープン。徳重交差点は4方向渋滞する事態も想定できる。朝だけでなく、怖いのは土日だわな。
市民:新瑞12の徳重分断はやめて欲しい。 → 今回、既存路線を分割し地域往来を分断する新規設置系統のうち、相生11・相生12・幹原1・徳重12あたりに共通するのは、収益性の高い短距離路線にしていること。名東区の路線の様な優良路線を無理矢理造り出して、帳簿上の数字を操作しようとしている感すらある。利用者数が頭打ちだからと、数字の操作だけで自分たちに都合のよい決算をしようとしている魂胆がミエミエ。利便性の無い交通機関は見向きもされないぞ。
市民:国道302号の建設計画ではバスレーンの設置があるが、国道開通後に国道302号を走る計画はあるのか? 交通局:国道302号にバスを走らせる計画は無い。 →新瑞12系統は新瑞橋・鶴里・鳴海・徳重と結節点を結ぶ拠点間路線。神の倉・白土直通をやめて、徳重11・徳重12・平針11に分離して、帳面上だけで営業成績の良い短距離路線を設けて自作自演する狙いがミエミエ。下手に分割すると、若い住民は徳重まで自転車に乗り換えてしまうと思う。交通局は旧50号系統(現:栄18・栄758・名駅16)の分割で大失敗しているというのに、過ちを繰り返すつもりなのだろうか。
懇談会は荒れることなく、20:25ごろに終了しました。次回の天白区役所は最後の30分ほど参加できそうですが、大荒れが懸念される最終回の緑文化小劇場へは仕事の都合で行けません。誰か取材してくれないかなぁ。
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