 弊ブログでは過日に市バス運転士による運転放棄事件を取り上げましたが、少し前の新聞にはこんな記事もありましたので取り上げます。どうも、利用者と駅員・乗務員とのトラブルが全国各地で増加傾向にあり、昨年度(2011年度)に発生した暴力件数は全国で911件。過去最高になってしまったそうです(画像は2012年7月5日中日新聞朝刊より)。
 東海地方の事業者ではJR東海が153件、名古屋市交通局は18件、愛知環状鉄道は2件あったそうです。名鉄や近鉄の件数が無いのは不思議ですが、この分も推定すると東海地方での発生比率が少し高くないかという疑問が残ります。特にJR東海は東海道新幹線を抱えているせいもあるのでしょうが、総件数の1/6がJR東海がらみというのは、利用者数の多さを多少考慮しても件数が突出している感があります。おそらく、カウントすべきかどうかの基準がJR東海は厳格で、少しでも駅員・乗務員に手が触れたらカウント対象である一方、軽度のものはカウントしない鉄道会社もあるのだと見られます。 一方、愛知環状鉄道では線内で利用できない「敬老パス」を差し出した爺さんに車掌が正規運賃を求めたら殴られるトラブルもあったそうです。敬老パスならどこでも無料だと勘違いしているジジィなのでしょうか?(画像は2012年7月5日読売新聞より)。
ただ、一つ指摘すべきなのは、暴力に至った原因が必ずしも利用者側に起因するものではなく、駅員や乗務員の誤った応対や案内に起因しているモノも相当数含まれている事実を忘れてはならない点です。ハッキリ言いますが、鉄道会社の駅員や乗務員の応対は必ずしも良くありません。もちろん、模範的な応対をして下さるプロ意識の高い方もいますが、その一方で鉄道会社の看板にあぐらをかいて乗客を上から目線でしか見ない若手駅員や、まだ国鉄時代の体質が抜けきっていない旧態な意識のままの人もいます。 その摩擦の原因は何かということを考えることもなく、一方的に抑え込もうと双方が主張しかしない「コミュニケーション不全」に陥っている、これこそが最大の要因ではないかと思います。「相手の話を聴く」。そして、相手にルールだからと強要するのではなく「諭す」。ごく基本的なことですが、一歩引いて考え、適切に説明することで些細ないざこざは解消できます。
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