 7月9日、長野県南木曽町の梨子沢で台風8号の影響で起きた土石流でJR中央西線の鉄橋が流出し、坂下(岐阜県中津川市)~野尻(長野県大桑村)間で不通となりました。JR東海は中津川~上松間で列車を4日間運休し、7月14日始発から坂下~野尻間で代行バスを14日から運行する一方、早い時点で「復旧まで約1ヶ月」と明言し復旧を急いだ結果、8月5日に工事を完了し、翌6日より約1ヶ月ぶりに通常ダイヤでの運行を再開しました。 JR東海は運休期間中は約20万人の足に影響し、特急の運休で8億円の減収を見込んでいるそうです。また、中央西線は長野県方面への石油輸送も担っており、鉄橋流出により石油会社が関東からに切り替えるなど、対応に追われましたが、四日市からの輸送に全面依存していたコスモ石油だけは大変だったそうです。
 坂下駅前。代行バスは坂下~野尻全区間走行する場合は2両、それ以外(坂下~南木曽区間便)は1両で対応していたようです。なお、朝夕は積み残しが何度かあり、積み残しが発生するとすぐに続行便が救済する体制を取っていたそうです。担当したバス会社は東濃鉄道・花バス観光・アップルキャブなど。地元の北恵那交通やおんたけ交通が参加していないのは、車両と運転士の余裕がなかったのでしょう。
 田立駅。坂下駅を出たバスは最短距離で線路沿いの県道6号が大型バスが走れないため、一旦国道19号へ出てから大回りして南木曽町田立地区へ向かいます。そのため、15分程度かかります。
 JR田立駅。約1ヶ月運転の無い線路は既に錆びていました。
 代行バスの南木曽駅停留所は駅から離れており、更に歩く必要がありました。
 電車が来ない南木曽駅。駅前で待つタクシー運転士さんや駅前の土産物屋さんの心中やいかに。
 駅に電車は来ないものの、営業時間には駅員さんがいたようです。ただ、改札口は固く閉ざされている点が、通常の運行状況でないことを示しています。
 野尻駅の代行バス乗り場は大型バスが乗り入れできないため、野尻駅から10分以上歩いた国道19号沿いのデイリーヤマザキの駐車場にありました。
 ここから野尻駅までのシャトルバスがありました。JR東海の案内には一切載っていませんでしたので驚きでした。担当していたのは南木曽観光タクシー。バス乗り場を提供したデイリーヤマザキはきっと特需だったに違いありません。
 野尻駅までマイクロバスに乗って、ようやく松本行の電車に乗り換え、という中央西線代行バスのレポートでした。
テーマ:鉄道関連のニュース - ジャンル:ニュース
|