 JR東海という会社は本当におかしな企業だといつも思います。その企業体質を象徴するニュースがありました。 今年5月末、愛知県幸田町のJR東海道線で、新快速列車の運転士が熱中症でダウンし電車の運行を中止し、救出に向かった車掌も熱中症で救急搬送されたという報道が紙面を賑わせました。そこで明らかになったのは、JR東海では、 「電車の運転士や車掌は真夏の屋外作業でも上着・ネクタイ着用」 「乗務中の水分補給は指令所の許可が必要で、常務後に場所・理由・乗客の苦情の有無の報告が必要」 という、クールビズの時代にまるで時代錯誤の社内規定が厳格運用されていたことでした。JR東海曰く、それが乗務マナーなんだそうです(笑)。 ここまで記事になるなら、少しは変わるかと思いきや、6月11日の新聞報道によると、JR東海の社長は 「運転士や車掌はあるべき服装や姿で運転しなければならない。遠い昔はパンを食べ、ジュースを飲みながら運転し、お客様にお叱りを受けた(中略)運転中の携帯電話がダメなのと同じ。安全に関わるので乗務に専念しなければならない」 とまるで反省の姿勢が無いコメントしており、現場業務経験の少ないエリート社員らしい残念なコメントだと呆れておりました。遠い昔って、何十年前のことなんでしょうか? そんなJR東海が、「人身事故や車両故障での作業、その後の乗務、発車前の車外点検等に限り」という条件付きで上着を脱ぐことを認めたそうです(画像は2015年6月21日中日新聞朝刊より)。
 ここまで厳格に規定するということは、JR東海としては上着着用は貫きたい、気候変動に対して対応する現実的な姿勢に転ずる考えが無いのでしょう。近年は5月や10月でも暑い時がありますからね。まったく、現場意識が無い人が仕切るとこうなるという典型的な例ですね(画像は2015年6月11日朝日新聞朝刊名古屋本社版より)。 勤務中の水分補給に慎重になるのは、国鉄時代に乗務中の飲酒に起因する重大事故があったそうです。しかし、そんな職員は氷山の一角であって、大半の職員は日々真面目に業務をこなしているのですから、もう少し社員を信用してあげればよいのにと思います。 こういうJR東海の企業風土・体質が、利用者への細かいサービスや配慮に欠ける言動の一端となっているのだと思うと妙に納得がいくところがあります。そりゃ、熱中症スレスレの体力・精神状況で乗客対応をしたところで、余裕の無い状況で荒っぽくなるのは自明なわけで。そりゃ、JR職員の態度が冷酷かつ傲慢に見えるケース、良くありますからね。
 そういえば、JR東海にはグループ企業にJR東海パッセンジャーズという企業があって、弁当に加え飲料の販売事業部門があるんですよ。どうして、自社製品を現物支給しないのでしょう?カネもかからないというのに。本当に硬直した組織だと思います。 現場の職場環境の悪化が乗客の安全性に影響を及ぼす、事業の公共性をもっと自覚して欲しいと思います。
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