この度の西日本豪雨災害により、犠牲になった皆様にご冥福をお祈りすると共に、被災された皆様にお見舞い申し上げます。 特に広島・岡山・愛媛の3県で大きな被害が出ていますが、岐阜県でも大雨特別警報が発令され、関市・郡上市・下呂市・飛騨市では河川の氾濫による洪水被害が発生し、岐阜市でもギリギリのところで辛うじて洪水被害を食い止めたところです。私の暮らす土岐市は大雨警報こそ出ましたが、思ったほどの大雨になりませんでした。 こういう時に頼りになるのは情報です。しかし、今回はメディアや行政の初動態勢の遅れが被害を拡大してしまったのではないかと思わせる部分がありましたので取り上げます。
 気象災害に強いのは何と言ってもNHK。私の家では名古屋局と岐阜局の総合テレビが受信できるのですが、名古屋局では通常放送、岐阜局だけL字型という現象がありました。岐阜県では早い時点で警報がガンガン出てしまったことから、こういう体制になったものと思われますが珍しい対応でした。7/7昼過ぎに岐阜県に大雨特別警報が発令されると、NHKや名古屋の各民放局は通常番組と大雨災害や交通情報を同時に伝える、いわゆる「L字型」体制となり、随時情報を伝えてくれました。東海テレビは野球中継しながら随時気象情報や交通情報が流れていました。この情報は基本的に気象台や各自治体が発表する情報をリピートとするだけで、視聴者が「●●川が氾濫しそうだ」なんて情報を垂れ込んでも、被害が発生しない限り基本的にはメディアは動きません。
 7月8日、そんななかで岐阜県関市の武儀・上之保地区で津保川が氾濫し、床上浸水しているという情報が早朝に流れました。朝になると昼のニュースに間に合わせようと名古屋から各局がクルマやヘリコプターで乗り込んで中継をしていましたが、お昼になっても1局だけ報道を行わないメディアがありました。地元で唯一の民間放送局である岐阜放送です。 岐阜放送は初動が非常に遅く、前日の時点で大雨特別警報が発令されてもL字型画面では「大雨情報」のまま6時間以上放置していました。夜には長良川に氾濫の危機が迫り、岐阜市を洪水から守る最終手段である長良橋の陸閘が14年ぶりに閉鎖されましたが、それでも岐阜放送は動きもしませんでした。更に、岐阜放送にはラジオもあるのですが、通常通り深夜1時には放送を終了してしまいました。
 関市の武儀・上之保地区で津保川が氾濫したのは午前2時ごろだったそうです。その現場は8日のお昼のニュースで報道されました。しかし、岐阜放送はいつも通りテレビショッピングを垂れ流すままで一切情報は流れずじまい。お昼を過ぎても岐阜放送だけは 「氾濫したものとみられる」 としか報道していませんでした。岐阜放送としては未確認だったのと思われます。日曜昼12時に「鑑定団」垂れ流しながら、ありえない報道をしていた画像を証拠として挙げておきます。
 岐阜放送は他局の報道を見て慌てたのか(?)、昼1時を過ぎたころ、ようやく関市の津保川氾濫の情報を「確認」として初めて流したのでした。岐阜放送は誰も見ていないから許されると思っているのでしょうが、視聴者は許しませんよ。 そもそも、岐阜放送は岐阜で昭和20年代に開局したラジオ局「ラジオ東海」が広域放送を行う現在の東海ラジオ設立のために三重県にあったラジオ局「近畿東海放送」と合併の上、地元からラジオ局が奪われしまい、その後昭和34年の伊勢湾台風で地元の災害情報が得られなかった地元の反省から作られた経緯のある放送局です。後発であることから独立局という自由度の高さは災害時に本領を発揮できるのですが、局としての本分も忘れてしまったのでしょうか。また、同じ系列の岐阜新聞とのネットワークから県内各地の情報も得られるはずなのに、それもしなかった。翌日が新聞休刊日のため、岐阜新聞・岐阜放送全体で休暇だったのでしょうか? 岐阜新聞・岐阜放送というメディアグループは、岐阜市とその周辺地域を必死にカバーするも、それ以外はほどほどにというスタンスでしたが、今回の豪雨災害ではお膝元である岐阜市ですら情報を流すことを放棄してしまったわけで、既に放送局としての機能・役割を果たしていないことを改めて証明してしまったわけです。テレビアンテナの工事業者から聞いた話ですが、岐阜県内でテレビ愛知の受信相談が結構多く、その度にテレビ愛知の人気の高さと岐阜放送の人気の無さを感じるのだそうです。既にジリ貧との噂もありますが、県民にそっぽを向かれたメディアに生き残りの道はあるのでしょうか?
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