 JR東海が新型車両「315系」を新造し、2021年度より既存の211系・213系・311系の各電車と随時置き換えを行うことが明らかになりました。あのJR東海が在来線車両更新に720億円も投資するという、大規模な事業です。これで国鉄時代の車両が無くなるのだそうです。
 置き換えとなる東海道線と中央線で長らく君臨した211系電車。国鉄末期に登場し、JR東海の名古屋都市圏及び静岡県内を中心に主力車両の一つでしたが、 ・最高速度時速110㎞。 ⇒ 加減速機能が弱く、近年では東海道線で快速・新快速の遅れを誘発する要因になっていた。 ・冷暖房が弱く、夏は蒸し風呂・冬は冷蔵庫。 ⇒ ドアの半自動機能が無く、真夏と真冬は車内環境が劣悪。 など、いろいろな問題点を抱えていました。 新型315系電車は最高速度時速130㎞。現在の東海道線新快速が同120㎞ですので、旧型の電車と完全に置き換えが完了した時には快速・新快速のスピードアップも期待されます。新型車両がロングシートなのは残念ですが、211系電車の置き換えという性質上、仕方無いものと考えます。
 新しい機能としては、車内防犯カメラを1両に5カ所ずつ設置。最近物騒な事件が多いですから、証拠画像を押さえるためにも必要だと思います。ただ、そんな事件が発生した場合、JR東海は個人被害に対して画像の公開に応じるのでしょうか?個人情報の扱いについて疑問が残ります。 また、停電時に最寄り駅まで自力走行できるよう蓄電装置も初めて搭載するそうです。災害や台風等で駅と駅の中間で止まってしまうと問題なので、こういう機能も必要だと思います。JR東海はその昔、東海道線垂井~関ケ原間で電車が雪で立ち往生し12時間以上乗客をカンヅメにしてしまった事故があります。過去の教訓を生かしたのだと信じたいです。
新型車両は4両と8両編成で構成するのだそうです。中央線では10両編成の消滅との噂もありますが、中央線の朝のラッシュで8両では名古屋行きは春日井駅や勝川駅で乗客を積み残す恐れがあるため、既存の313系電車を名古屋方に併結して10両を確保するものと思われます。JR東海が中央線で乗客の遠近分離を目的に130㎞運転を実施し、鶴舞と春日井を通過する「新快速」でも走らせる決断をするというなら、話は別ですが。そうなれば、名古屋~多治見間で4~6分短縮、釜戸・武並・美乃坂本を通過させれば名古屋~中津川間58分程度の夢のダイヤもありますが、中央線名古屋口は退避可能な駅が少ないし、ロングシートの新快速というのはなぁ…。現時点では「夢」としておきましょうか。
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