街にあって当然の存在である図書館。しかし、郡部に行くと未だに図書館の無い自治体があります。平成の市町村合併で消滅したように見えますが、旧郡部で図書館の無かった地域は地元に図書館が無いことが潜在的なものになってしまい、地域内格差になっている地域もあります。私は東海3県下の図書館の7割以上を訪問しましたが、公民館の一部を開放し図書館と名付けるのはおこがましいのか、「図書室」と名づける自治体もありますが、いわゆる普通の図書館に比べると、明らかにサービス格差を感じる「作ってはみたけれど」程度の自治体もあります。 じゃ、図書館作ろうかと思い立っても、新規で建設しようとすると10億円単位の費用がかかります。図書館を含む生涯学習は緊急性を帯びないことから、どうしても後回しにされがちです。更に図書館は利益を生み出さない悪く言えば「金食い虫」です。だから、財政的に厳しい街は精神的な充実にまでサービスを展開できず、土地はあっても図書館ができないのです。 建設費用の多くは蔵書の購入費用です。でも、寄贈である程度確保することで、蔵書購入費用を抑えることは可能なのです。福島県といえば、「合併しない宣言」をした矢祭町の良い前例があります。2006年、図書館の無かった矢祭町は全国から図書の寄贈を募り、何と43万冊もの本が集めて「矢祭もったいない図書館」を開館しました。郡部の図書館なら数万冊の蔵書がせいぜいですが、図書館の無い街が県内有数の充実した図書館のある街に生まれ変わったのです。今回、矢祭町の前例が飯館村の活動を促したのかもしれません。飯館村は絵本に限らず、一般図書も寄贈を募ってみてはいかがでしょうか。また、全国の図書館未設置自治体の皆さん、図書館すら設置できないのは住民に対する行政の「恥」です。矢祭町や飯館村の例は、図書館設置の参考になるかと思います。
図書館がなく、書店も村営の1軒しかない福島県飯舘(いいたて)村が、不要な絵本の寄贈を今月から呼びかけたところ、わずか10日間で全国から1万冊以上が集まった。別に現金まで添えて「わが家の子供がボロボロにしましたが使ってください。新しい本代の足しに」と申し出た人も。村の教育関係者たちは「ありがたい」と感激。来年3月末まで寄贈を受け付ける予定だ。 飯舘村は阿武隈山地にある人口約6000人の過疎地。財政難で学校の図書購入費も乏しいが「絵本は子供の成長に欠かせない」として今月11日から絵本の募集を始めた。この動きは同日付の毎日新聞夕刊が紹介した。 直後から、段ボール箱に詰められた絵本が殺到し、21日には1万冊を突破。23日昼現在で1万615冊、寄贈者は北海道から九州まで334人に上る。 東京都の女性は「新しい本代の足しに」と現金10万円を添えてきた。東京都の別の女性は「夫はうつ病を患い、新しい生活の場を飯舘村にしようかと考えています。ご縁をいただきありがとうございました」と記していた。 村の広瀬要人(かなめ)教育長(63)は「一人一人の善意が本の山になった。ありがたく使わせていただきます」と話している。本の送り先は〒960-1892 飯舘村伊丹沢字伊丹沢580の1、飯舘村教育委員会。送料は寄贈者負担。問い合わせは村教委(0244・42・1631)。 引用元:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100524-00000003-maiall-soci
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