台風15号による被害は全国に広がりましたが、今回特に岐阜県東濃地方は甚大な豪雨による浸水被害と道路網の寸断により孤立する事態となりました。
東濃地方は岐阜県に属しますが、県庁のある岐阜市より名古屋市などお隣の愛知県との結びつきが強い、全国的にも珍しい地域です。したがって、公共交通や幹線道路網も名古屋を中心とする路線・道路網により結ばれています。東濃地方への交通網としては、以下の路線が挙げられます。
【道路】 ・中央自動車道 ・東海環状自動車道 ・国道19号線 ・国道21号 ・国道248号 ・国道363号 ・愛岐道路(県道名古屋多治見線) 【鉄道】 ・JR中央線 ・JR太多線
ところが、今回の台風被害では鉄道が早々に落石警報作動と雨量規制(後に一部駅冠水と線路陥没被害が判明)でダメになり(復旧まで中央線は1日半、太多線は2日間もかかった)、高速道路2本が相次いで通行止め、更に大動脈の国道19号線が土砂崩れで通行止めとなると事態は深刻となり、名古屋への抜け道として重宝される愛岐道路も土砂崩れで通行止め、国道21号も落石で通行止め、国道363号も雨量規制でアウトとなり、東濃地方へのアプローチは、国道248号線のみとなってしまいました。国道41号線から可児市経由、または瀬戸市からのアプローチだけとなり、国道248号にクルマが殺到し、道路冠水してしまった多治見市を中心に可児市から瀬戸市まで延々30km近い大渋滞になってしまいました。こんな事態に陥ったのは初めてです。 今回の事例を思うと、いかに愛知県と東濃地方の道路網がいかに脆弱であると共に、特に重要視される既存の中央道や国道19号、愛岐道路がアキレス腱となっているかを思い知らされました。県道でしかも山間を走る愛岐道路はまだしも、中央道や国道19号は沿線が急峻な地形ではありません。しかも、東濃地方の生命線と言っても過言ではありませんから、東海豪雨に匹敵する豪雨だったとはいえ道路網が貧弱である地域の弱点を把握し、今後は自然災害に強い道路網の構築を願うばかりです。
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